【質問】パーキンソン病の患者本人とどのように接したらよいですか?



【答】

病気を正しく理解して、治療や生活に協力しましょう。

家族が患者さんに接するときに大切なことは、病気を正しく理解して、協力することです。

▼「治療で症状を改善できる」ことを理解
パーキンソン病は”早期から薬物療法とリハビリテーションを行うことで、症状を改善できる病気”だということを 理解しましょう。薬によって症状が改善されていれば、日常生活に大きな支障なく過ごせることも多いです。 その場合は、患者さんを必要以上に病人扱いしない方がよいでしょう。

▼薬をきちんと使う
症状を改善するためには、担当医の処方通りに薬を使うことが大切です。自己判断で薬の量を変えたり、飲み忘れたりすると、 十分な効果が得られなくなるので注意してください。また「嚥下障害」が原因で薬を飲みにくくなることもあります。 家族は、患者さんがきちんと薬を飲んでいるかをチェックして、飲み忘れなどがないように確認してあげるとよいでしょう。

▼姿勢を注意する
パーキンソン病では、姿勢が前や横に傾くことがあります。そのままにしていると体に痛みが生じたり、 長く立っていられなくなるなどして、生活に支障を来します。しかし、はた目にはかなり傾いていても本人は気付いていない ことが多いので、家族が注意してあげてください。姿勢の傾きを繰り返すうちに、姿勢が改善されることも多いものです。

▼褒める
患者さんの症状が少しでも良くなったり、リハビリテーションができたら、褒めてください。 患者さんの多くは症状が少し良くなった程度では満足しませんが、他の人から褒められればうれしいものですし、 治療にも意欲的に取り組めるようになります。日本人は褒めることが得意でない人も多いので、 意識して伝えるようにしましょう。

▼大きな声でゆっくり会話する
「声が小さい」「早口になる」など話し言葉の障害が現れている場合、家族や周囲の人は大きな声でゆっくり話すようにして ください。そうすることで、患者さんも周囲の声のリズムに合わせて、大きな声でゆっくり話せるようになります。 また、会話をすること自体が発語のリハビリテーションになるので、会話の機会を多く作ってあげましょう。